雑記帳34・バパの堕落論とベネットの進化論
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さてバパは「人類はアダムに始まってそこからは堕落の歴史が今日まで続いている」と論じます。
他方でベネットさんは「人類の精神は進化の途上にある」と論じます。
この話、一見すると「まるで方向が逆ではないか」と見えるのですが、いずれにせよ今いる場所から出発して上に登らなくてはならない、という意味では、目指す所、やる事は同じ事の様です。
バパの説明はアブラハムの宗教の伝統に沿ったものであります。
他方でベネットさんの説明は、今という時代の精神に沿ったもの、いわゆる「科学的なものの見方、歴史観」に従ったものの様に見えます。
そうしてベネットさんは、まずはグルジェフの体系で人の精神は次のステップに行けるのではないかと試されました。
それで、うまくいかずに次にラティハンを試された、という訳です。
しかしながらラティハンそのものは容易なのですが、ラティハンで進歩し続ける、ということは、変化し続けるということは、実はとても難しい事なのでありました。
それゆえその事に耐え切れなくなって、ベネットさんはグルジェフの体系とラティハンとを融合させようとした模様です。
しかしながらハート、マインドとジワとの融合というのはラティハンによってのみ可能になるものでしたから、結局はその試みはうまくいかなかった模様です。
もし人がラティハンを継続する事によって疑問を持たなくなり、自分を顧みなくなって、「ああこれで安心だ」という状態になったとしたら、現状に満足し、その先を見据えないとしたら、それはあきらかにマンネリに落ち込んでいる事になります。
ラティハンを続ける事で精神的な創造性がなくなるとしたら、それはラティハンのせいではなく、その人のラティハンに対する態度のせいであります。
ラティハンは人をして愚鈍にするようなものではありません。
まさにその反対のものであります。
そうでありますから、「ああ、これで楽になった」ということで満足し、そこに安住するならばそれはバパが目指したもの、そうしてまたベネットさんが希求したものとは全く別のものになる訳であります。
PS
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